抄録
1 mol/dm3ペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いた銅のエッチングレートに結晶構造が及ぼす影響を,Scanning Probe Microscope(SPM)とElectron Back Scatter Diffraction Patterns(EBSD),腐食電位測定により解析した。低指数面である(001)面や(101)面,(111)面のエッチングレートは低く,高指数面である(327)面や(425)面のエッチングレートは高いことが明らかになった。多結晶体の銅においても低指数面に優先配向している銅のエッチングレートは,高指数面に配向している銅のエッチングレートに比べて低く,約半分であった。また,エッチングレートが高い多結晶体の銅は貴な腐食電位を示した。多結晶体の銅のエッチングレートは,それぞれの結晶表面におけるペルオキソ二硫酸イオンの還元反応速度の平均値によって決定されていることが示唆された。