2014 年 17 巻 2 号 p. 132-142
本論文では,接着接合板が破壊に至る際の特異応力場の強さに注目し,接着接合板の強度が特異応力場の強さ一定として整理できることをまず確認した。次に,種々の接合界面の強度を統一的に評価するため,接合界面に仮想的な微小き裂を考えて,その界面き裂の応力拡大係数が一定条件で接着強度が整理できることを示した。さらに種々の応用を考えてどのような寸法の仮想き裂を考えればよいかを接着接合板の実験結果を基に考察した。その結果,仮想き裂の寸法に依存せず接着接合板の接着強度が簡便に評価できることが明らかとなった。