抄録
プリント配線板最終表面処理として広く用いられる無電解ニッケル/金めっきにおいて,ごく稀に発生する局部腐食現象は実装部品の接合信頼性に大きな影響を与える。これについてめっき皮膜の内部応力の影響を考察した。めっき浴のpHを変化させて異なる内部応力のニッケルめっき皮膜を作製し,置換金めっきにおける局部腐食発生状況を比較した。その結果,ニッケルめっき皮膜に引張応力が発生している場合に局部腐食が増加する傾向がみられ,これら局部腐食がはんだ接合界面近傍でボイドの発生要因となることがわかった。すなわち,引張内部応力の存在が局部腐食を助長し,それに伴うはんだボイドが接合強度を低下させることが明らかになった。