抄録
電子機器の小型軽量化による回路の微細配線化に伴い,プリント配線板への無電解Ni-Pめっきにも高いファインパターン形成能力が要望されている。ファインパターン形成能力を向上させる新規添加剤について検討した結果,高価数金属イオンの添加が有効であることを見出した。その中でも特にCo3+が良好な結果を示し,従来添加剤で問題となっていた段つきめっきや耐食性低下を発生させることなく,パターン外析出を抑制できた。パターン外析出の要因であるPd残渣上において,Co3+からCo2+への還元反応が優先的に生じることにより,無電解Ni-Pめっきのパターン外析出を抑制していると考えられる。