抄録
光コネクタ双方の接続には,フェルールの高精度な位置決めを実現するため割りスリーブによる整列技術が使用される。割りスリーブはフェルールが挿入された際の微小な変形により,光コネクタの性能に深く関わるフェルール保持力を発生する。しかしながら,変形量が極めて微小であること,および固定された拘束点が無いことから,変形に関する有限要素解析が困難であった。本論文では割りスリーブにフェルールを挿入した際の微小変形の有限要素解析手法を確立するとともに,割り幅の変形量,ひずみ,およびAPCコネクタのフェルール方向と割り方向に応じた接続損失変動について実測し,有限要素解析結果との比較を行った。