抄録
プリント配線板の近接グラウンド幅が変化する差動伝送線路では,線路がグラウンド端に寄るなどの非対称構造によりコモンモード放射が発生する。本論文では,線路が近接グラウンド端近傍に配線されている差動伝送線路を対象に,コモンモード放射の発生量を予測するための平衡度不整合モデルの精度を検証した。放射に最も寄与する全ての導体を同相に流れる2次コモンモード電流に着目し,近接グラウンド端からの距離が異なる試験基板を用いて,平衡度不整合モデル,実験,3次元電磁界解析により2次コモンモード電流変化量を比較した。その結果,提案する平衡度不整合モデルは最大3 dBの誤差で実験および3次元電磁界解析の結果と一致した。