2020 年 23 巻 2 号 p. 173-191
本論文では,パワーモジュールのワイヤボンド部とダイアタッチ部の強度信頼性評価手法について既往の研究をレビューする。パワーモジュール使用条件下では,これらの部位は繰返し温度変動にさらされ,構成材料の線膨張差により繰返し熱応力が発生する。したがって,パワーモジュールの強度信頼性にとって重要な課題は熱疲労現象である。また,ワイドバンドギャプ半導体パワーモジュールを想定して,200°C超の高温条件での熱疲労現象の評価法についても取扱う。さらに,設計段階でパワーモジュールの強度信頼性を担保するための研究方針について示す。