エレクトロニクス実装学会誌
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研究論文
低誘電特性を有する変性ビスマレイミド耐熱樹脂
郭 碧濤羽深 等
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2020 年 23 巻 6 号 p. 521-526

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抄録

バイオマスから誘導される低極性長鎖脂肪族ジアミンと3,3′-dimethyl-5,5′-diethyl-4,4′-diphenylmethane bismaleimide (BMI)の反応により,変性BMI (m-BMI)樹脂を合成し,その樹脂硬化物の低誘電特性を含む基本特性を確認した。さらに,m-BMIと低極性であるp,p’-Divinyl-1,2-diphenylethan (BVPE),1,2,4-Trivinylcyclohexane (TVCH)のブレンドにより樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)を改善した。すなわち,m-BMI (CB12)とBVPEが50:50の樹脂硬化物は,10 GHzでの比誘電率(εr) 2.47,誘電正接(tanδ) 0.0012,Tg: 206°Cを示し,m-BMI (CB13)とTVCHが50:50からなる樹脂硬化物は,εr: 2.53,tanδ: 0.0017,Tg: 204°Cを示した。 変性BMI (m-BMI)の短所を低減し,樹脂硬化物に低誘電,高耐熱性という特性を与えることで,5G通信関連エレクトロニクス実装用高分子材料に要求される性能を示すことが確認された。

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© 2020 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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