2022 年 25 巻 1 号 p. 123-132
熱と電気の連成解析に適した相変化材料(PCM)のSPICEモデルについて検討した。PCMをスイッチでモデル化した場合には,モデルが複雑となり計算速度の点で不向きである。一方,従属電流源でモデル化することで単純なモデルで高速に計算できる反面,解析の不安定な要素がある。したがって安定性を確保できれば従属電流源モデルが望ましい。本報告では,従属電流源を用いたPCMのSPICEモデルを用いてPCM熱時定数の1/100以下の時間刻みで計算を行うことで,誤差を増大させずに安定的に解析可能であり,電子機器の冷却システムの熱解析に利用できることを示した。