抄録
PET, PCおよびABSのような透明樹脂素材上に, ウルツァイト構造を有する酸化亜鉛 (ZnO) 膜を化学析出とそれに続く電気化学的成長からなる2段階法により作製した。化学析出は335Kに保持した硝酸亜鉛とジメチルアミンボランを含有する水溶液中に樹脂素材を30分間浸せきすることにより行った。それに続く電気化学的な成長は, 同じ浴中においてAg/AgCl電極基準-0.8Vで陰極分極することにより行った。ZnO膜の比抵抗値は通電量の増加に伴い9桁減少した。PETフィルム上に作製したZnO膜は10-2Ω・cm台の低い比抵抗値を示した。また, PETフィルム上に作製したZnO膜は可視光領域で約25%の透過率を示した。