Agめっきした基板表面に接合したAuワイヤをモールド成形した後, これを機械的にはく離分離してこのはく離面を外部接続用の端子として使用する手法をCSPのパッケージングに応用することを目的として, Agめっきと超音波併用熱圧着接合したAuワイヤについて接合条件と分離可否の関係を調べた。その結果, ワイヤの分離に適したボール歪み量の範囲が存在する可能性が示唆された。さらに, ワイヤの分離歩留まりは接触エリアの周縁で接合された場合が最も分離歩留まりが高く, 超音波出力が小さいほどこの接合状態が得られやすいことが判明した。この分離手法をパッケージングに適用してインタポーザレスCSPを試作した。工程ではワイヤの先端を露出させるために, ワイヤボンディングした基板を機械的に引きはがして除去した。この手法を採り入れることにより, 化学的に基板を溶解する方法に比べて工程を簡略化することができた。