抄録
本論文では, マイクロストリップ線路 (MSL) で構成されたλ/2共振器を用いたプレーナ形帯域通過フィルタ (BPF) による高調波共振応答改善について検討する。まず, λ/2共振器への励振構造の違いによる共振特性の変化について検討を行った。その基本性能を用いて, 従来検討されてきた通過帯域近傍特性の改善のみならず (1) 高調波共振応答の改善, さらには, (2) 通過帯域近傍特性の改善および高調波共振応答の改善の両立について議論を拡張することで, 帯域外特性改善に関して統一的に検討を行った。計算結果および実験結果より, 用いる共振器の持つ基本性能を積極的に利用することで, さらなる帯域外改善特性を有するBPFの実現が可能であるとともに, 同手法の線路構造に対する汎用性も併せて確認した。