スズ-亜鉛共晶合金は, 融点が現行のスズ-鉛共晶合金のそれに近いことから, 鉛フリーはんだの候補として期待されている。ポリオキシエチレン-α-ナフトール (POEN) を添加剤とするスルホコハク酸浴から, カソード電流密度0.5~3A/dm
2において, 共晶組成 (亜鉛9mass%) を有する合金皮膜が得られた。POENの添加は, スズ析出の分極を増大し, 低電流密度領域におけるスズの優先析出を抑制することにより, 亜鉛の共析を可能にした。めっき浴は極めて安定であり, 6カ月経過後においてもSn
4+化合物の沈殿形成は認められなかった。スズ-亜鉛共晶合金皮膜は, β-スズ相と亜鉛相からなり, その融点は198℃であった。銅素地上のスズ-亜鉛共晶合金皮膜には, 1年間の室温経時後においてもウイスカの発生は認められなかった。
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