抄録
コンピュータ・ネットワークを利用した授業においては, BBS(Bulletin Board System)にメッセージを書いて話し合いをしたり質問をしたりすることが多いことから, 学生は適切にメッセージを書く能力を備えていることが重要である.本研究においては, WBTシステムを用いた講義において大学生がBBSに書いたメッセージを質的に分析した.その結果から, 講義内容について質問をして教員から問題解決のための教示を受けるためには, 何がわからないかを説明したうえで質問するという知識構築方略を使ったメッセージ生成を行う必要性が示唆された.また, アドバイスを手がかりにして知識陳述方略を使ったメッセージ生成から知識構築方略を使ったメッセージ生成へと変換させた事例や, 知識構築方略を使ったメッセージ生成ができる学生ができない学生にメッセージの書き方をモデリングしてみせる事例もみられた.