日本教育工学会論文誌
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電子メディア上で作成された概念地図の特性と学習効果
湯浅 且敏
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2007 年 31 巻 2 号 p. 143-152

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抄録
本研究ではコンピュータによつて概念地図の作成を支援し,学習対象の理解を促進するための条件を明らかにした.紙面上で行う概念地図作成活動と比較した所,コンピュータ上で作成を支援することによって,問題解決に利用可能な知識の獲得がより促進されることが判明した.この効果の原因を探るために作成された概念地図を条件間で比較した所,コンピュータ上で行う条件では,情報をより小さな単位で切り分けて外化し,それらの間を線で結ぶ活動が多く行われることで,情報の関係が明示される概念地図が作成されていた.このことから,概念地図の作成に対して,個々の情報やそれらの関係を柔軟に操作できる電子メディアの特性が有効であることが示された,一方,紙面上で行う条件では,個々の情報がまとめて外化される活動や,外化された情報を接触させることによる関係づけなど,多様な関係づけを行なう活動が見られた.
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© 2007 日本教育工学会
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