2019 年 43 巻 2 号 p. 139-149
本研究では,在宅看護論の看護過程の授業において,Team-Based Learning(TBL)の方略を用いた場合,協同作業に対する認識が批判的思考態度に与える影響を検討した.在宅看護論を受講する看護大学生170人を対象に,単元の授業開始前と授業終了時に協同作業認識尺度,批判的思考態度尺度の質問紙調査を実施したところ,「協同効用」「論理的思考への自覚」「探究心」「客観性」が向上した.また,交差遅れ効果モデルを用いて概念間の因果関係を検討したところ,受講前に「個人志向」の認識が高かった学生は,受講後に「客観性」と「証拠の重視」を高めることが示された.一方,受講前に「協同効用」に良いイメージを持っていた学生は,実際にグループワークを行っても批判的思考態度が高まらなかった.そのため,「協同効用」に良いイメージを 持っていた学生であっても,グループワークにより批判的思考態度が高まるような授業改善が必要であると示唆を得た.