日本教育工学会論文誌
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論文
サイト属性読み取りに注目した情報検索教育:閲覧時の教示が検索行動に与える影響
大津 嘉代子植木 祐介田中 将紹阪脇 孝子
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2020 年 43 巻 4 号 p. 325-338

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抄録

本研究の最終目標は,情報検索に未習熟な大学生を対象とした,効果的な教育方法と学習用アプリケーション開発である.学習プロセスとしては,サイトの種類や掲載情報に関する一般的知識に注目し,検索経験を通じて検索者が持つそれらの知識を蓄積させることに重点を置いている.本稿では,最終目標へ向けた第一歩として,検索結果読解,閲覧サイト選択及びページ閲覧過程を対象に,サイト属性(サイトの種類と掲載情報の質)を読み取る能力の育成が,適切な検索行動を促す可能性を調べた.模擬閲覧実験では,ページ開閉時に質問形式でサイト属性と掲載情報を逐次的に予測・検証させる教示の効果を検証した.実験に際しては,逐次的な教示を行う学習用アプリケーションのプロトタイプを開発した.実験の結果,逐次的な教示によりサイト属性に注目した閲覧行動・態度が定着すると確認できた.また,プロトタイプの有用性も確かめられた.

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© 2020日本教育工学会
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