日本教育工学会論文誌
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教育実践研究論文
認識的準備活動を導入した統計の基礎を扱う反転授業の実践と評価
伏木田 稚子大浦 弘樹吉川 遼
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2020 年 44 巻 2 号 p. 237-251

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抄録

本研究では,統計の基礎とデータ分析を扱う反転授業において,受講生の理解度と講義動画の視聴行動を検討した.実践では,講義動画と対面学習の内容に関連があり,真正性の高い問題解決を要するゲームを用いて,動画視聴の前に認識的準備活動 (EPA) を行った.EPA の実施単位として個人EPA 群と協調EPA 群を設定し,受講前,中間,受講後の理解度テストの得点を比較した後,動画視聴の比率やスタイルを分析した.その結果,(1) 個人EPA 群と協調EPA 群の違いにかかわらず,受講生全体の理解度が向上する,(2) 協調EPA 群の方が,対面での演習活動前に理解度がより向上しやすい,(3) 個人EPA 群の方が講義動画を選択的に反復視聴する傾向がみられる,などの示唆が得られた.

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© 2020 日本教育工学会
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