2021 年 45 巻 Suppl. 号 p. 213-216
本研究では,学部2年生以上が対象のゼミナールについて,教員が実践上で抱える困難と学生にとってのゼミナールの価値に対する自己評価の検討を目的とした.質問紙調査の結果,「活動および指導の充実」や「学生の能力・意欲の不足」に困難を感じているほど,「自由な探究と積極的な議論」が成り立たず,「活動および指導の充実」を問題視しているほど,「メンバー間の良好な関係」が保たれていないと評価していることが示唆された.その一方で,実践上の困難の認識と学生の認知的な成長の評価には,有意な関係がみられなかった.