2023 年 47 巻 1 号 p. 13-25
本研究の目的は,一斉授業内で他者のノートテイキング状況の可視化が,学習者間および授業者と学習者間の相互作用を促進し,ノートテイキングや授業改善に有効かを明らかにすることである.目的を達成するため,タブレットの資料上に,他者の記入箇所をリアルタイムに可視化することができるノートテイキング支援システムを開発し,以下の研究1,2を行った.まず,高校生89名を対象とした研究1では,システムによる他者の記入箇所の可視化によって,共同体意識の向上や,授業中のノートテイキングの特に板書,下線の記述が増加したことから,生徒間の相互作用が促進されたことが明らかとなった.次に,高等学校の授業者4名を対象とした研究2では,システムによる理解状況や進捗の可視化は,授業中に指導の変更を促し,生徒の内容理解を向上させる可能性が見られ,授業者と生徒間の相互作用を促進しうることが明らかとなった.