日本教育工学会論文誌
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論文
デジタル・リーディングにおけるスクロール方略の分類と判別アルゴリズムの検討
尾原 健太氏間 和仁小田 凌也福井 敬祐
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2023 年 47 巻 2 号 p. 197-205

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抄録

デジタル・リーディングにおけるスクロール操作の際の指の動かし方の方略であるスクロール方略の分類を行い,分類されたスクロール方略を判別するためのアルゴリズムを開発することを目的に,晴眼参加者20人を対象に2つの拡大率の条件において,スクロール操作を伴う文章を音読する実験を行なった.スクロール方略の分類では,低拡大率条件と高拡大率条件の両方で画面に指が接触する時間が短い「Point Swipe」と画面に指が接触する時間が長い「Wide Swipe」の2つが得られた.スクロール方略の判別モデルの検討では,低拡大率条件と高拡大率条件の両方でサポートベクターマシンを用いた判別アルゴリズムによって,高い判別的中率が得られた.これらの結果によって得られた知見を活用することで,拡大を必要とする人のデジタル・リーディングにおける読書の効率化について,スクロール方略の影響を検討することができる.

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© 2023 一般社団法人日本教育工学会
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