本実践では,生徒自身が歴史の論述問題を作る「問題作成演習」を通じて,生徒の学習観,学習方略,動機づけの変容を目指した.関東圏の高校に通う2年生1学級(37名)に,歴史における深い問いの型を教えた上で,1学期の定期考査前に世界史の論述問題を作って提出させ,教師が各問題にコメントを付けて学級全体で共有するといった介入を加えた.しかし,1学期の介入では不十分である様子が見て取れたため,2学期の問題作成演習の際には,生徒が作成した良問をいくつかピックアップして全員が解くようにし,さらに,その問題を作った生徒に出題の意図や,問題を解く上で有効な学習方法を説明してもらうようにした.問題作成演習にこのような介入を加えた結果,丸暗記志向や結果志向といった非認知主義的な学習観が有意に低下し,説明方略の使用得点が有意に増加した.最後に,問題作成を行わせる際の注意点や残された課題について考察を行った.