2024 年 47 巻 Suppl. 号 p. 13-16
本研究では,「総合学習における社会情動的スキル」がどのような構造になっているのかを明らかにした.また,「総合学習における社会情動的スキル」が高い児童はどのようなことができるようになったと感じているのかについて,その傾向を明らかにした.小学校4年生から6年生の計695人から得られた回答に対して,因子分析を行った結果,「協調性」,「開かれた心」,「表現への積極性」,「粘り強さ」,「感情制御」の5因子が抽出された.「総合学習における社会情動的スキル」の合計得点の高/低得点群で対応分析を行った結果,高得点群で「興味」,「協力」,「粘り強い」,「受容」,「意見」,「自主」等の「総合学習における社会情動的スキル」の下位概念に関連するような語が見出された.また,「相違」,「問題」,「行動」といった語も高得点群で見られた.