森林立地
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論文
木質バイオマス燃焼灰の添加によるヒノキポット苗の成長と土壌化学性への影響
山田 毅 長倉 淳子小笠 真由美平井 敬三
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2025 年 67 巻 2 号 p. 43-49

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抄録

育苗培土への木質バイオマス燃焼灰の添加がヒノキ苗の成長と土壌化学性に及ぼす影響を明らかにするため,森林総合研究所構内のガラス温室において,灰添加と灰添加なし(対照)でヒノキ苗の育成試験を行い,ヒノキの成長状態や土壌の化学特性を比較した。灰添加区では,木質バイオマス発電所(専焼)の主灰10 gと土壌(生土)2kgを均質に混合した培土でヒノキ苗を育成し,試験期間中に10 gずつ灰を5回土壌表層に追加添加した。対照区の培土には灰を添加しなかった。その結果,試験開始時の土壌のpH値,EC,交換性Ca,Mg,K濃度は対照区に比べ灰添加区で有意に高い値を示した。また,その後5回の灰の追加添加により,灰添加区の0-5cm深で,土壌pH値や交換性Ca,K濃度の上昇と全炭素(TC)・全窒素(TN)濃度の低下が認められた。5cm以深の土壌では交換性K濃度の上昇とTN濃度の低下が認められた。したがって,追加添加した灰の土壌への影響は,交換性Kを除き,概ね表層土壌(0-5cm深)に限られた。一方,ヒノキ苗の主軸長や根元直径の成長およびバイオマス量には灰添加による有意な違いはなかった。したがって,重量比6%程度の主灰を添加した本研究の結果から見る限り,灰添加はヒノキの成長に顕著な影響を及ぼさないことを示している。

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