1992 年 41 巻 10 号 p. 1029-1034
大豆レシチンなどのリン脂質組成を調べる簡便な方法として用いられている二次元 TLC 法を簡易化した。従来のLowryらのリン分析法と比べ約1/10まで微量化したところ, 一本の小試験管内で分解から発色までを行うことができた。また, リンモリブデン錯体の抽出を酢酸エチル/酢酸ブチル (9 : 1, vol/vol) で行ったところ感度が約20%向上した。更に, リン脂質の絶対量を求めるために, 合成したエーテル型ピロホスファチジン酸を内部標準物質として本分析法に用いたところ, ピロホスファチジン酸は化学的にも安定で大豆レシチンや卵黄レシチンの二次元 TLC において内部標準として有効であることがわかった。