本検討では, ラウリン酸メチルを用い, これが約-20℃の四塩化炭素溶液中で, SO
3を添加したとき, 容易にSO
31モル付加体 (第1中間体) に変化した。この第1中間体は, 原料エステルと平衡関係にあることが証明された。この中間体を形成するためのSO
3の付加エネルギーは, 平衡の交換速度の測定から, 約14kcal/molと推定された。
α位のスルホン化は, 原料エステルではなく, この第1中間体に起き, SO
32モル付加体 (第2中間体) を与える。このスルホン化は, 動力学的には第1中間体の2次反応であり, 活性化エネルギーは約25kcal/ mol であった。
最後の反応, すなわち第2中間体からα-スルホ脂肪酸メチル (α SFM) へ変化する速度が共存するエステルの影響を受けることを見いだした。
本検討で得られた知見に基づき, α SFMのスルホン化機構を考察した。
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