抄録
水-デカン系におけるオクタエチレングリコールドデシルエーテル (C12EO8) のHLB温度またはPIT (81.5℃) は, 両親媒性化合物 (モノラウリン, 1-ドデカノール) の添加により減少した。モノラウリン添加系における, 低下したHLB温度は, 全界面活性剤濃度の変化によって影響を受けないが, 1-ドデカノール添加系では, 全界面活性剤の濃度が低下するに従ってHLB温度は上昇し, C12EO8単独のHLB温度に近づく。これらの異なった相挙動は, 油中の親油性両親媒性化合物の溶解性の違いによるものである。
両系について, HLB温度の変化とHLB numberの関係を議論した。