日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
Print ISSN : 1341-8327
ISSN-L : 1341-8327
Far-eastern blot (TLC blot) を用いた複合脂質の微量分析
石川 大瀧 孝雄
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 47 巻 10 号 p. 963-970,1144

詳細
抄録
コレステロール, グリセロ脂質, そしてスフィンゴ脂質は細胞膜の主要な構成成分である。それら, およびその代謝物は細胞増殖, 分化, およびアポトーシスなどにおける。細胞内情報伝達のセカンドメッセンジャーとしての役割が注目されている。これら複合脂質の領域の研究を推し進めていく上で, 我々は新しい脂質の分析法 “Far-eastern blot (TLC blot) 法” を確立した。この方法はTLCプレート上の脂質を短時間でPVDF膜へ転写するものである。さらに, この方法を組合わせたいくつかの応用法も同時に開発することに成功した。Far-eastern blotはTLCで分離できるほぼ全ての脂溶性成分に有効である事から, 今後, 天然物や薬剤の代謝物, 環境ホルモンといった, 微量成分の分析に大きな威力を発揮するものと期待される。
著者関連情報
© 公益社団法人 日本油化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top