日本油化学会誌
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油/水界面で形成する液晶を利用したW/O型液晶エマルション
-高内水相W/O型エマルションの調製法とその乳化機構-
中間 康成塩島 義浩春澤 文則
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1998 年 47 巻 12 号 p. 1331-1336,1361

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抄録
油/水界面で形成する液晶を用いたW/O型液晶エマルションの調製法とその乳化機構について報告した。その調製法は, オレイン酸 (OA) を溶解した油相に, 攪拌下でラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン (LB) 水溶液を添加してW/O型エマルションを調製する方法である。この方法を用いることによって, OAとLBの静電的結合により油/水界面で, OA, LB, 油, 水の4成分からなる液晶が効率よく生成し, 水滴の回りを液晶が取り囲んだW/O型の液晶エマルションが調製できる。そして, 90%以上もの水を包含した乳化粒子の合一, クリーミングに対して安定な高内水相のW/O型液晶エマルションを容易に調製することができた。相平衡図の解析から, これは, 水の一部及び油をそれぞれ親水基部分, 親油基部分に取り囲んだ硬い逆ヘキサゴナル液晶が, 水滴を不動化したためであった。
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