抄録
一級河川矢部川上流の日向神ダムにおいて、溶存態ケイ素(DSi)の動態把握と捕捉量見積を実施した。日向神ダム湖内においては、春から秋にかけて珪藻が増殖した時に限り表層DSi濃度が低下した。それらの沈降する1-3か月後に底層のDSi濃度が増加した。また冬季の躍層解消に伴い、DSi濃度は全層で均一化された。これらの事象に伴い流出水のDSi濃度は変化した。春~秋季にかけては、流入DSi濃度に比較して流出DSi濃度が低下する傾向にあった。一方、冬季には流入DSi濃度に比較して流出DSi濃度が増加するため、年間のダム湖内に捕捉されるDSi量が緩和されていた。日向神ダム湖内に捕捉されるDSiの量は2010年度で-2.0%、2011年度で10.9%であり、全観測期間を通じての平均的な捕捉率は5.2%であった。