2019 年 75 巻 6 号 p. II_113-II_123
本研究では,被災・断水環境下における生活者への応急給水計画の策定支援に向け,断水生活者の適応力を計画変数として組み込んだ計画論の体系化を試みた.水使用の用途別に,QOL(quality of life)水準を踏まえた生活様式を設計し,アンケート調査により得られた生活様式の回答結果を用いて,発災からの時間経過断面における水・物資の需要原単位を設定した.その上で,茨城県の想定地震(茨城県南部地震)を対象としたケーススタディを実施し,時間経過上における水・物資の需要量を推計した.水需要原単位を低下させた生活様式を断水生活者がとるためには連動した物資の供給が必要であり,物資供給と連携した応急給水計画の策定を支援するための知見をまとめた.