日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
食物繊維摂取ラットにおける血漿コレステロールと糞排泄ステロイドもしくは盲腸内短鎖脂肪酸との相関
竹久 文之
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 45 巻 4 号 p. 325-331

詳細
抄録
コレステロール非負荷の条件で, ラットの血漿コレステロール, 糞および消化管内のステロイドと短鎖脂肪酸 (SCFA) に及ぼす食物繊維 (セルロース, パクテリアセルロース, リンゴパルプ, アラビアガム, グアガム, グアガム部分水解物) の影響を検討し, 次の結果を得た。
1) グアガムのみが血漿コレステロール濃度を低下させ, 糞中排泄ステロイド量を増加させた。
2) 全動物の血漿コレステロール濃度は糞中ステロイド量とは相関せず, 小腸上部胆汁酸量との間に負の相関が認められた。
3) グアガム部分水解物群以外の群において, 血漿コレステロール濃度と盲腸内プロピナン酸量との間に負の相関が認められた。
4) これらの結果から, コレステロールを負荷しない条件下での食物繊維の血漿コレステロール低下機作として, ステロイド排泄増加, 胆汁酸分泌増加や盲腸内プロピオン酸増加などが考えられた。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top