小児歯科学雑誌
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上顎単一中切歯の一例
久芳 陽一小笠原 靖副島 嘉男本川 渉
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1991 年 29 巻 2 号 p. 439-446

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抄録
上顎正中部に左右の区別のつかない単一乳中切歯と上唇小帯の消失, 口蓋の異常などを伴う5歳2カ月男児の症例を報告した.1年3カ月後,上顎単一乳中切歯を抜歯し,研磨標本観察をおこなったが,癒合歯を思わせるような所見は認められなかった.また萌出してきた後継永久歯も単一永久中切歯であった.
歯牙の異常以外に,上唇小帯の消失,正中口蓋縫線上に硬口蓋後方におよぶ著明な肥厚および鼻疾患の既往などがあることから,これらの異常所見は口腔,鼻などの顔面正中部に限局していた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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