日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
セッションID: 2G3-H4
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発表
2G3-H4 ファストプランツの小学校・中学校でのマルチ教材活用(教材開発(2),一般研究発表,次世代の科学力を育てる)
前田 紗綾香西野 秀昭
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抄録

本研究では,ファストプランツの生活環が一ヶ月半と短いことに加え,室内での栽培が簡易であることに注目し,植物の一生について観察・実験する教材としての有用性を検討した。成長が早いことから,観察・実験の結果を比較的早く得ることができた。小学校5年生の「植物の発芽,成長,受粉・結実」のインゲンを用いた授業では,成長をみながら別の単元を挟んで実験が行われているが,ファストプランツでは,継続して約1ヶ月半で授業の単元を終えることができると考えられた。授業効率がよくなることから,児童・生徒は継続して意欲をもって学習できるとともに,観察・実験を実施する教師の負担も軽減されると考えられた。また,維管束の観察や花粉管の伸長,メンデルの分離の法則を親,雑種第一世代,雑種第二世代まで連続して確認できるなど,様々な観察・実験で教材として採り上げることが可能と考えられた。即ち,一つの教材でありながら,温度管理が難しい教育現場でも栽培可能で,観察実験のマルチ教材として活用できるメリットが考えられた。

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© 2009 日本科学教育学会
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