2021 年 7 巻 2 号 p. A_78-A_85
交通事故が多発する交差点では、事故データ等の分析に基づいて様々な交通事故対策が実施されている。しかし、対策の検討に用いられる交通事故データやヒヤリハットデータでは危険事象発生時の全ての状況を把握できるわけではない。例えば、交通事故やヒヤリ事象の発生時における信号現示の状況等は主観的なデータしか記録されない。また、交通事故は偶発的事象であるため、特定の交差点部の事故件数だけで定量的な分析を行うことは困難である。
そこで本研究では、右折自動車と横断者の交通事故が多発する交差点を対象に、危険事象を定量的に抽出する交通コンフリクト指標の PET を用いて危険事象の発生状況を分析した。その結果、車群の中の右折車や単独横断の歩行者・自転車は危険性が高く、青開始から時間が経過するほど危険であることがわかった。