2022 年 44 巻 2 号 p. 174-180
生来健康な61歳男性.2020年9月X日(発症0日)より,全身倦怠感,呼吸苦を認めた.発症7日目の前医胸部CTでCOVID-19肺炎が疑われ,当センター救急診療科に転送されたが,SARS-CoV-2 PCR検査は陰性であった.発症8日目に応答が曖昧になり,発症10日目に右片麻痺が出現し当科に紹介.CTAで左MCA閉塞を認め,緊急血栓回収療法により再開通を得た.発症11日目に腎機能が悪化,造影CTで右腎動脈・肝動脈閉塞,大動脈壁在血栓,脾梗塞を認めた.右腎動脈閉塞に対し血管内治療を行った.発症12日目までの4度のPCR検査はすべて陰性であったが,発症14日目のSARS-CoV-2抗体検査で IgG,IgMとも陽性となった.PCR検査は複数回陰性であったが,特徴的な肺炎像を呈し,脳梗塞を含む全身性動脈血栓症を発症した後に抗体陽性が判明し,COVID-19関連血栓症と診断した症例を経験したので報告する.