抄録
網膜血管口径の変動から非観血的に脳循環のautoregulationを推測できるか否かを検討した.脳血管障害26例, Parkinson病7例, Shy-Dfage朗症候群1例の合計34例の患者と正常対照群46例について, 眼底カメラを用い, 脳潅流圧変動に対する網膜血管の反応性を検討した.脳潅流圧変動は臥位から立位への体位変換により行なった.結果 : 1) 対照群では加齢につれ網膜血管反応性の低下を示した.2) Parkinson病, Shy-Drager症候群では対照群に比し, 網膜血管反応性が明らかに低下していた.3) 脳血管障害群では対照群に比較し, 網膜血管反応性が明らかに低下していた.また起立性低血圧を有するものでは網膜血管反応性の低下が著明であった.以上の成績は網膜血管のautoregulationに自律神経系が重要な役割を演じていることを示すと共に, 脳循環のautoregulationに関する従来の成績と一致している.従って本法は非侵襲的に脳血管のautoregulationを知る上で有用な方法と考えられる.