2022 年 31 巻 3 号 p. 123-127
本邦において下肢静脈瘤に対するシアノアクリレート血管内塞栓術(以下,CAC)が2019年12月から保険適用となり,全国的に症例数が増加している.しかしながら,新しい治療法であることから合併症などについてはまだデータの蓄積が必要な段階である.特に塞栓された静脈に対する炎症所見については,その原因も含めまだまだ議論がなされるところである.われわれはCAC後にアレルギー様症状を呈した症例に対し薬剤誘発性リンパ球刺激試験(以下DLST)を施行した.その結果,陽性を示し投薬による症状コントロールが困難なためCAC充填静脈の全抜去に至った症例を経験したため報告する.