2019 年 62 巻 p. 10-21
グラフェンを分散強化相として用いたCMC複合材料は,グラフェンの優れた物性および機械的性質を反映した機能性・構造材料となることが期待され,シナジー効果が得られる場合には,さらにユニークな機能性が付加される可能性がある。ここでは,グラフェンの作製方法を概観した上で,その中の一つである酸化グラフェン(GO)を還元してグラフェン(rGO)を得る方法に着目する。GO/金属酸化物セラミックス粉末の均一分散混合する方法について述べ,それら混合粉末の焼結緻密化による複合材料(CMC)の作製と機能特性の新しい展開について述べる。特徴的な微視組織形成について紹介し,電気的特性からユニークな機械的性質,そして熱電機能特性への展開など,グラフェンを用いた機能性複合材料と今後の応用について展望する。