2023 年 66 巻 p. 13-20
SDGsそしてカーボンニュートラル時代を迎え,サーキュラー・エコノミーをはじめとする資源循環型社会構築に対する社会の関心はますます高まっている。資源循環のための粉体プロセス技術には,物理的,物理化学的,化学的な種々の分離技術が存在するが,いずれも省エネルギーかつ省資源という大きな制約を満たすことが大前提であり,カーボンニュートラルなどの環境負荷低減と資源循環との両立のために,サーキュラー・エコノミーのような多重資源循環ループを支える多様な分離技術開発が必要とされている。本稿ではそのような取り組み例として,カーボンニュートラル促進による需要の指数関数的な増加が見込まれるリチウムイオン電池に対し,サーキュラー・エコノミーの概念図にある一番外側のリサイクル技術開発と,その内側の正極活物質粒子ダイレクトリサイクル技術開発の例を紹介した。