粉体処理機械ならびにシステムメーカとして、SDGsの観点からエネルギー効率の向上を目指した取り組みがなされている。一般にエネルギー効率が低いとされているジェットミルに熱風を使用したり、分級機内蔵型の衝撃型微粉砕機の改良により更なる高効率化を目指している。また、オンラインデジタル技術を利用したプラント運転の遠隔監視やデータ収集システムは人件費削減の観点からも将来的な展開が期待される。
IoT(Internet of Things)の進歩により、様々な分野でオンラインを使って「つながる世界」となっているこの時代に、粉体プロセスに関連して要望、期待される技術について、製品品質と製造に要する消費エネルギーの両方の観点から検討がされています。これらを実現するために必要な粉体に関するオンライン・インラインでの測定装置や技術と共に紹介されていますビッグデータを活用した遠隔監視システムは、プロセスの最適化に向けて今後ますます有用になってくるものと思われます。
地球温暖化対策の一環として、粉体プロセスの中で、機械的なエネルギー以外に多くの熱エネルギーを消費する乾燥システムにおいて、高性能の粉砕分級機構を使用すると共に、廃棄されていた熱風を熱風発生炉に戻して熱エネルギーの有効活用が図られています。その際、循環する熱風の水分が高くなり結露しやすくなるために、系内の露点コントロールや結露対策に注意が払われています。このようにしてシステム全体として、省エネ化、CO2の削減が図られています。
育毛剤の性能は配合成分と処方上の工夫で決まるものですが、ホソカワミクロンでは配合成分の作用効果を高める目的として、毛穴の奥(細胞)への成分デリバリーとそこでの成分の滞留と作用時間の最大化に拘ったナノパーティクルDDS技術を組み合わせた特徴的な育毛剤製品作りが行われています。本稿では同社の最新育毛剤開発の裏側の一端が読み取れる興味深い報告になっています。
近年、女性の世代を問わずまつげ美容液が広く使われるようになってきました。本稿ではナノテクノロジー(PLGAナノカプセル)× バイオテクノロジー(再生医療技術由来のヒト幹細胞培養上清液)により、まつ毛に関与する細胞を持続的に賦活させることで、まつ毛の育毛効果を最大化させようとする技術が開発され、その効果が検証されています。