抄録
毒きのこツキヨタケ(Omphalotus guepiniformis)は,嘔吐と下痢の徴候を引き起こすとされている.ツキヨタケ子実体中に検出されるilludin Sがその原因物質であると考えられているが,その作用については不明な点が多い.本研究では,ツキヨタケ自身の生存におけるilludin S産生の意義を考察する目的で,illudin Sの細菌,真菌,線虫に対する作用を検討した.抗線虫活性は,抗細菌活性と同様に検出できたが,真菌の増殖には全く影響しなかった.これらの成績は,illudin Sが抗線虫活性を持つことを記した初めての報告である.