抄録
きのこ菌糸体は細菌と相互に作用している.きのこの菌糸生育を促進する細菌の役割に関する知見は,きのこ生産技術の開発にも応用できる.本促進作用を解明するために,寒天培地で培養した菌糸コロニーの周辺部に細菌を接種する方法や2寒天培地検定法が用いられてきた.本法を用いることでショウロの菌糸生育を促進する細菌がParaburkholderia fungorum GIB024であることが判明している.しかし,これらの方法では対照区が独立した試験区であるため,菌糸生育に関する特異的作用を正確に比較調査することが困難であった.そこで本問題を克服するために,3寒天培地検定法を開発した.本法は,細菌培地または対照区培地への菌糸生育の程度と方向性を同時に調べることが可能であった.また,GIB024細菌を菌糸培地ではなく細菌培地に接種することで,きのこ菌糸生育が顕著に促進されることが判明した.本法は,きのこの菌糸生育促進する細菌の役割を解明するうえで有効な方法であると考えられた.