日本食品科学工学会誌
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環境ストレス下における納豆菌の胞子形成
三星 沙織小櫃 理恵川畑 奈緒木村 真希子齋藤 実希田中 直義渡辺 杉夫村松 芳多子木内 幹
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2006 年 53 巻 3 号 p. 165-171

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抄録
納豆菌の栄養細胞から胞子のみを分離し,胞子懸濁液を製造することは新規納豆菌の実用化のために必須の条件である.Mn2+添加,冷蔵・乾燥処理の環境ストレスをかけることによって市販納豆菌から分離したB. subtilis(natto)KFP 2のスターター化条件を調べた.
1.市販納豆菌を納豆工場16箇所から集め,胞子割合を測定した結果,値の低い2点を除くと平均94.0%であった.
2.0.1mmol/lMn2+をNBP平板培地に添加することによってB. subtilis(natto) KFP 2(スターターBより分離)の胞子形成が促進されることを見いだした.最適Mn2+濃度は0.1mmol/lであった.
3.KFP 2のスターター化を検討した結果,Mn2+添加培地で培養後菌液を冷蔵,完全に乾燥することによって収率97.3%で胞子を得ることができた.
4.同様の方法で,市販納豆菌から分離したKFP 1, KFP 4と研究室保存の納豆菌KFP 419, KFP 827, KFP 828についてもスターター化した結果,KFP 4以外の菌では胞子割合90%以上を達成した.KFP 4では,71.4%と胞子割合が低かった.
5.調製したKFP 2(スターターBより単離)の胞子懸濁液で小規模の納豆製造を行って官能検査を行った結果,糸引きはスターターBで製造した納豆よりもよく,菌の被り,香りでは同等と評価された.硬さ,うま味においてはやや劣るという評価であった.
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© 2006 日本食品科学工学会

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