日本食品科学工学会誌
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技術論文
茨城県産米「ゆめひたち」の品質特性および低アミロース米とのブレンド効果
鈴木 啓太郎岡留 博司中村 澄子大坪 研一
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2006 年 53 巻 5 号 p. 296-304

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抄録

茨城県産米「ゆめひたち」の理化学特性を評価した.また,低アミロース米のブレンドによる食味特性への影響を評価し,以下の結果を得た.
(1)アミロース含量,タンパク質含量,白度,糊化粘度特性,米飯物性,炊飯食味推定値,味度値,味センサーによる呈味成分の評価から,「ゆめひたち」は「コシヒカリ」より僅かに劣るものの,「キヌヒカリ」等と同等の良食味品種として有望であると考えられた.
(2)「コシヒカリ」と「ゆめひたち」のブレンドは,ブレンド適性が高いとされる「米A」とのブレンドと比較して,糊化特性値のブレークダウンが高く,コンシステンシーが低く,飯の味度値が同等であった.米飯物性のバランス度(A3/A1)がやや低かったが,結果を総合すると,「米A」と同等にブレンド適性が良いと考えられた.
(3)「ゆめひたち」に低アミロース米とブレンドした場合,米飯の硬さH1が軟らかくなり,バランス度(-H1/H1)が高くなった.炊飯食味計および味度メーターによる炊飯米の食味評価値の向上が認められた.また,糊化粘度特性試験から米飯の老化抑制効果があることが示された.

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© 2006 日本食品科学工学会
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