近年増加傾向にある高脂血症の予防食品として,血中コレステロール値低下作用が認められている豆乳とオカラを乳酸発酵させた食品「発酵オカラ豆乳」を作製した.当該食品の有効性を検討するため,豆乳,発酵豆乳,発酵オカラ豆乳で各々20%置換した飼料を高コレステロール食投与ラットに投与し血中および肝臓脂質濃度に及ぼす影響を調べた.血中総コレステロール濃度は豆乳,発酵豆乳投与群で対照群と比較して低下し,さらに発酵オカラ豆乳群では有意に連続的に低値を示した.肝臓コレステロール濃度はいずれの試験群も対照群と比較して有意に低値であった.また,豆乳投与群と発酵オカラ豆乳投与群で,肝臓トリグリセリドの蓄積抑制効果が認められた.以上より,豆乳の一部をオカラで代替した発酵オカラ豆乳は産業廃棄物オカラの有効利用という利点を持ち,かつ,オカラを含むことにより発酵豆乳よりも血中コレステロール濃度低下作用,肝臓トリグリセリド蓄積低下作用が促進することが認められ,高脂血症予防のための機能性食品として利用可能である.