日本食品科学工学会誌
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研究ノート
レトルト加工および保蔵期間が鶏肉のイミダゾールジペプチド含有量に及ぼす影響
神力(長友) はるな近藤 知巳永濵 清子福井 敬一黒木 勝久水光 正仁榊原 陽一
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2019 年 66 巻 6 号 p. 210-214

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抄録

鶏肉各部位のイミダゾールジペプチド含有量を分析した,またササミ肉の加熱処理および保蔵期間がイミダゾールジペプチド含有量及ぼす影響について検討した.アミノ酸分析の結果,アンセリンおよびカルノシンは,ムネ肉,ササミ肉,手羽元に多く含まれていた.ササミ肉を食塩水とともに封入したレトルトパウチを100℃~130℃で30分間加熱調理した結果,パウチ内の肉とスープ全体のイミダゾージペプチド含有量は,加熱温度に関わらず加工前後でほぼ同じだった.また121℃,30分のレトルト加工後に常温で12ヵ月保蔵した後も,レトルトパウチ内のイミダゾールジペプチド含有量は変わらなかった.レトルト加工は常温で長期間保蔵できる利点があるだけでなく,イミダゾールジペプチド含有量を保持する加工技術として有用であることを確認した.

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© 2019 日本食品科学工学会
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