日本食品科学工学会誌
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報告
ナチュラルチーズ添加パンの成分特性
森田 亜紀早川 文代香西 みどり
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2020 年 67 巻 8 号 p. 271-281

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抄録

ナチュラルチーズ13種類とこれらを小麦粉に対して10%添加したチーズブレッドの成分分析を行い,チーズブレッドの風味成分の特徴について考察した.

低分子量化合物の成分分析の結果,チーズブレッドの分類にはアミノ酸と脂肪酸が大きく寄与していた.アミノ酸はチーズブレッドに配合した「チーズの熟成期間の長さに由来する熟成の程度」,脂肪酸は「チーズのカビ発酵熟成の程度」を表していると解釈できた.アミノ酸はグリーンな香り,酵母エキスの香り,スモークの香り,チーズを焼いたような香り,塩味,うま味,エグ味,後味と正の相関が見られる成分が多かった.脂肪酸はカビの香り,グリーンな香り,エグ味,後味と正の相関が見られる成分が多かった.

本研究によりチーズとチーズブレッドの水溶性成分が明らかとなり,チーズブレッドを製造する際のナチュラルチーズの選択と配合決定が容易になると考えられる.

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© 2020 日本食品科学工学会

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