日本食品科学工学会誌
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報告
発酵および非発酵ルイボスティーの抽出条件がポリフェノール含量および抗酸化活性へ及ぼす影響
村上 香永澤 健
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2021 年 68 巻 2 号 p. 84-91

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抄録

本研究では,発酵および非発酵ルイボスティー(RTおよびGRT)の抽出時の茶葉量,時間および温度によるポリフェノール含量および抗酸化活性への影響を調べた.

500 mLの水道水を沸騰させた熱水で茶葉1.5-10 gを10分間浸漬した「お湯出し」条件では,茶葉量は,1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル消去活性(抗酸化活性)と正の相関関係示し,茶葉5および10 gのRTと比べて,GRTは半分の茶葉量で同レベルの抗酸化活性を示した.また,茶葉5 gを500 mL熱水で5-20分間お湯出しした場合,RTでは15分以上,GRTでは20分以上浸漬することにより,より効率的にポリフェノールや抗酸化活性を引き出せることが確認された.7 °C,12時間浸漬の「水出し」条件(茶葉5 g/500 mL)では,ポリフェノール量と抗酸化活性はRTでお湯出し5分間,GRTで10-15分間と同程度であることがわかった.RTは茶葉5 g(/500 mL),10分間,70および80 °Cは沸騰を保った沸騰水の抽出「煮出し」と比較して,総ポリフェノールおよびアスパラチン含量,DPPHラジカル消去活性に大きな違いは見られなかった.GRTにおいても80 °Cと沸騰水ではポリフェノールおよびアスパラチン含量に有意な差は認められなかった.本実験で検討した条件では,茶葉量10 g/500 mL,10分間お湯出しは,総ポリフェノール含量(RT:756±9;GRT:939±5 µg/mL),アスパラチン含量(RT:10.6;GRT:363 µg/mL),DPPHラジカル消去活性(RT:3.62;GRT:5.87±0.03 mMアスコルビン酸当量)が最も高い条件であった.また,本研究により,RTおよびGRTは,「お湯出し」および「水出し」でもポリフェノールおよびアスパラチンや抗酸化活性を有することが確認された.

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© 2021 日本食品科学工学会
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