日本食品科学工学会誌
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技術論文
小松菜乾燥粉末中のカロテノイドのバイオアクセシビリティに対する粉末粒子径と乳化剤の影響
石本 太郎 小竹 英一
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2024 年 71 巻 3 号 p. 93-99

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抄録

コマツナは網膜に特異的に蓄積されるルテインというカロテノイドを含有している. 本研究では, in vitro 消化試験によって, 小松菜加工品に含まれるルテインのバイオアクセシビリティを評価した. 生鮮コマツナを冷凍ペーストや乾燥粉末に加工することにより, ルテインのバイオアクセシビリティが向上した. 乾燥粉末中のルテインのバイオアクセシビリティは, 粉末の微細化や乳化剤の共存によって更に向上した. コマツナに適切な加工を施すことにより, ルテインの生体利用性が向上する可能性がある. 喫食時に小松菜と共存し得る乳化剤には, 大豆や牛乳など他の食品由来のものだけでなく, 食品添加物として添加されるものなど, 様々な種類がある. どのような乳化剤がルテインのバイオアクセシビリティ を最も向上させるかについては, 今後の更なる研究が必要である.

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